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骨盤臓器脱(子宮脱)

骨盤臓器脱(子宮脱)とは

骨盤臓器脱(子宮脱)とは広島市のフジハラレディースクリニックでは、骨盤臓器脱(子宮脱)の診療に対応しています。骨盤臓器脱とは、骨盤の中で子宮や膀胱、直腸などを支えている筋肉や靭帯(骨盤底筋群)が弱くなることで、臓器が本来の位置より下がり、腟の中や外に出てくる状態を指します。特に子宮が下がってくるものを「子宮脱」と呼びます。加齢や出産を経験した女性に多くみられ、決して珍しい病気ではありませんが、日常生活に大きな不快感や支障をきたすことがあります。

当院の院長は、岡山大学にて女性の骨盤トラブルに特化したヘルスケア外来の立ち上げに尽力し、2018年10月より骨盤臓器脱の診療および手術に数多く関わってきました。これまで多くの患者さまの症状やお悩みに向き合い、状態に応じた適切な治療選択を行ってきた経験があります。2024年11月までの約6年間で延べ63例を診察しました(新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021年は手術を見送り)。そのほぼ全例で院長が手術に関わってきました。大学紹介例のため、手術症例の50%が最重症である完全脱(Ⅳ度)でした。腟式子宮全摘術および前後腟壁形成術のみによる治療では、完全脱の再発率は25〜40%とされています。また、メッシュ等を用いる手術も術後合併症や、メッシュ障害などが一定起こります。一方、院長は、そのような人工物による補強は用いず手術を施行し、当外来では最低3年間のフォローアップを実施した結果、複雑型を含む全手術症例50例において、現在まで骨盤臓器脱の再発は0例であります。

原因

骨盤臓器脱は、骨盤の底で子宮や膀胱などの臓器を支えている「骨盤底筋」や靭帯が弱くなったり、傷ついたりすることで起こります。「年齢のせいだから仕方ない」と思われがちですが、実際には加齢だけが原因ではなく、いくつかの要因が重なって発症することが多い病気です。以下のような要因がある方は、骨盤臓器脱を起こしやすいと考えられています。

妊娠・出産

骨盤臓器脱の最も大きな要因の一つです。出産時には骨盤底筋が大きく引き伸ばされるため、回数が多い方や難産だった方、分娩時に骨盤底への負担が強かった方では、筋肉や靭帯がダメージを受けやすくなります。

加齢

閉経に伴い女性ホルモンが減少すると、筋肉や組織の弾力性が低下します。その結果、骨盤底筋の支える力が弱まり、臓器が下がりやすくなります。

日常的に腹圧がかかる生活習慣

日常生活の中でお腹に強い力(腹圧)が繰り返しかかることも、骨盤底への負担となります。
例として、

  • 重い物を持つ作業が多い仕事(介護、運送、農作業など)
  • 慢性的な便秘による強いいきみ
  • ぜんそくなどによる長期間の咳

が挙げられます。

肥満

体重が増えると、それだけ骨盤底にかかる圧力も強くなります。長期間にわたって負担が続くことで、骨盤臓器脱のリスクが高まります。

症状

症状「腟の中に何か触れる感じがする」「下着に違和感がある」「股に何か挟まっているような感覚がある」といった症状が代表的です。進行すると、腟の外に臓器が出てくることもあります。また、排尿しにくい、尿漏れ、頻尿、便が出にくいといった排尿・排便トラブルを伴うこともあります。初期は症状が軽く、気づかれにくい場合もあります。

当院で行う治療

骨盤臓器脱の治療には、手術だけでなく保存的治療も重要です。
症状の程度や生活への影響、ご本人のご希望を踏まえて治療方針を決定します。軽度の場合は、骨盤底筋を鍛える体操や生活習慣の指導を行います。症状がある程度進行している場合には、腟内に装着して臓器を支える「ペッサリー(腟内装具)療法」を行うことがあります。
患者さまご自身で着脱が可能な「ペッサリー」による治療にも対応しており、ライフスタイルに合わせた無理のない治療をご提案しています。
当院では、今後手術可能な施設に向け、現在着々と準備を始めていますが、現時点では、手術が必要と判断される場合には、専門医療機関へのご紹介も含め、適切な選択肢をご提案します。
気になる症状がある場合は、早めの受診が大切です。

この記事の執筆者

理事長・院長 牧尉太

資格

  • 医師免許取得(第495525号)
  • 日本産科婦人科学会認定専門医指導医
  • 日本周産期・新生児学会 周産期(母体・胎児)専門医指導医
  • 日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医指導医
  • 医学博士(医学)(岡山大学 甲第6127号)
  • 厚生労働省臨床研修指導医
  • 女性心身医学会認定医
  • 厚生労働省指定オンライン診療研修修了
  • ALSO-Japan指定認定インストラクター(ディレクター)
  • J-CMELS認定コースディレクター
  • 災害時小児周産期リエゾン
  • 日本DMAT隊員
  • 日本医師会認定産業医

専門分野

  • 周産期医学全般(帝王切開縫合/前置胎盤癒着判断)
  • 女性ヘルスケア(産後ケア, 骨盤臓器脱, 漢方, 更年期など)
  • 産科救急・教育・搬送システム
  • AI/IoT関連
  • 地域創生, 医療DX
  • プロジェクトマネージメント
  • 持続可能性Wellbeing施策

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