出生前検査とは

出生前検査とは、妊娠中にお腹の赤ちゃんの状態を調べ、先天的な病気や染色体異常の可能性を知るために行われる検査の総称です。
検査には、超音波検査をはじめ、母体の血液を用いて行うNIPT検査、羊水を採取して詳しく調べる羊水検査など、いくつかの種類があります。
出生前検査は、異常を早期に見つけることだけを目的とするものではありません。検査結果をもとに、妊娠中や出産後の医療体制を整えたり、心の準備を進めたりするための情報を得る手段でもあります。
一方で、すべての病気や異常がわかるわけではなく、検査結果の受け止め方や選択に悩むこともあります。そのため、検査を受けるかどうかは、ご本人やご家族の考えを大切にしながら、医師の説明を十分に聞いたうえで判断することが重要です。
当院で行なっている出生前検査
出生前検査には、目的や精度の異なる複数の種類があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身に合った検査を選択することが大切です。
FMF認証の初期胎児超音波精査プラス コンバインド検査(初期スクリーニング)(11〜13週6日:超音波を含む)
※2026年6月から開始しています。
妊娠11〜13週頃に行う検査で、超音波検査による胎児の首のむくみ(NT)測定と、母体血液検査を組み合わせて評価します。これらの結果に妊婦さんの年齢などを加味し、染色体異常(ダウン症候群など)の可能性を統計的に算出します。赤ちゃんへの負担がなく、比較的早い時期にリスク評価ができることが特徴ですが、あくまで「確率」を示すスクリーニング検査です。
当院が行っているFMF認証の初期胎児超音波精査プラス コンバインド検査について説明します。牧院長がFMF認証を有しております。
FMF認証の初期胎児超音波精査とは、妊娠初期の胎児の超音波検査において国際的に用いられているFMF(Fetal Medicine Foundation)のに基づき、NT測定に加え、いくつかの染色体異常のリスク項目を確認する超音波所見を丁寧に確認しながら評価を行います。
さらに、コンバインド検査は、超音波検査と母体血液検査を組み合わせることで、妊娠初期に染色体異常の可能性を評価できる検査です。コンバインド検査の超音波検査には、NT測定が必要です。NTは、測定方法や胎児の向き、妊娠週数などによって評価が変わるため、適切かつ正確な方法で行うことが重要です。
この二つの検査を組み合わせた結果、単独の検査結果だけで判断するより、複数の情報を組み合わせてリスクを算出できるため、より詳しいリスク評価が可能になります。
よく比較される、NIPT(新型出生前検査)は、母体血液中の胎児由来DNAを調べる検査であり、大変簡便です。コンバインド検査と検査の仕組みや評価方法が異なります。一方で、FMF認証資格を有する医師の手法に基づいた精度の高い超音波評価と母体血液検査を組み合わせることで、妊娠初期のスクリーニング検査としてNIPTと遜色ない選択肢となりますし、検査費用を抑えることが可能になります。
また、コンバインド検査では、染色体異常のリスク評価だけでなく、超音波検査を通じて胎児の発育や形態について確認できますし、妊娠初期の4D超音波を用いた赤ちゃんのかわいい画像をみることができる点も特徴です。
一方で、検査結果は「異常がある」「異常がない」と確定診断をするものではなく、染色体異常の可能性を数値として示すものです。検査結果でリスクが高いと判定された場合や、より詳しい検査をご希望される場合には、羊水検査による追加の検査についてご相談いただくことがあります。検査の特徴や限界を十分にご説明したうえで、妊婦さんご本人とご家族が納得して選択できるようサポートいたします。
当院のFMF認証の初期胎児超音波精査は同日結果を説明することが可能です。また、コンバインド検査については、採血後に解析を行うため、結果のご説明まで約1週間程度お時間をいただいております。結果が届き次第、医師より内容を分かりやすくご説明いたします。不安な点やご不明な点がありましたら、診察時にお気軽にご相談ください。
FMF認証の初期胎児超音波精査プラスコンバインド検査 |
55,000円(税込) |
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クアトロ検査(母体血清マーカー検査)(15〜18週)
妊娠15〜18週頃に行う採血検査で、母体の血液中の4つの成分(AFP、hCG、uE3、インヒビンA)を測定します。これらの値と年齢などをもとに、ダウン症候群やエドワーズ症候群、神経管閉鎖障害などの可能性を評価します。母体への負担が少ない検査ですが、コンバインド検査と同様に確定診断ではなく、リスクの目安を知るための検査です。
| クアトロ検査 | 30,000円(税抜) |
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羊水検査(確定診断)(16週0日以降)
妊娠15〜18週頃に行われる検査で、お腹から細い針を用いて羊水を採取し、その中に含まれる胎児の細胞を調べることで、染色体異常の有無を直接確認します。結果により確定診断が可能な検査ですが、流産などのリスクがわずかに伴うため、検査の必要性やリスクについて十分な説明を受けたうえで実施されます。
| 羊水検査 | 154,000円(税込) |
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超音波胎児ドック(18〜20週と26〜28週)
通常の妊婦健診よりも詳しく胎児を観察する超音波検査で、赤ちゃんの発育や臓器の形態、心臓・脳・四肢などに異常がないかを丁寧に確認します。妊娠中期以降に行うことが多く、非侵襲的で赤ちゃんや母体への負担がない検査です。染色体異常を直接診断する検査ではありませんが、形態異常の発見につながる重要な検査です。
| 胎児異常検出目的の胎児ドック | 25,000円(税込) |
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NIPT(新型出生前診断)について
NIPT検査(Non-Invasive Prenatal Testing:非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは、妊婦さんの血液を採取し、血液中に含まれる赤ちゃん由来のDNA断片を解析することで、特定の染色体異常の可能性を調べる検査です。
主に調べられるのは、以下の染色体異常です。
- 21トリソミー(ダウン症候群)
- 18トリソミー(エドワーズ症候群)
- 13トリソミー(パトウ症候群)
当院ではNIPTは実施しておりませんが、ご希望の方には提携医療機関へのご紹介が可能です。ご希望の際は、外来にてお気軽にご相談ください。
出生前検査を
受けるか迷ったら
出生前検査を考える際に最も大切なのは、検査を受けるかどうかも含めて、ご夫婦やご家族が納得して選択することです。
出生前検査には、コンバインド検査やクアトロ検査、超音波胎児ドックのようにリスクを評価するスクリーニング検査と、羊水検査のように確定診断を行う検査があります。それぞれ検査の目的や特徴、得られる情報が異なるため、違いを理解したうえで検討することが大切です。
検査を受けることで安心につながる方もいれば、結果を知ることでかえって不安が大きくなる方もいらっしゃいます。また、検査を受けないという選択も、尊重されるべき大切な判断です。
どの選択が正解というものはなく、ご自身の価値観や考え方に基づいて決めることが重要です。出生前検査は医学的な検査であると同時に、ご家族の将来や在り方に関わる大切な選択でもあります。不安や疑問を感じるのは自然なことであり、決して特別なことではありません。
当院では、妊婦さん一人ひとりの思いに寄り添いながら、検査の内容や違いについて丁寧にご説明し、安心してご判断いただけるようサポートしております。なお、NIPT(新型出生前診断)をご希望の方には、提携医療機関へのご紹介も可能です。
どのような小さなことでも構いませんので、ご不安やご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
コンバインド検査(初期スクリーニング)
コンバインド検査で異常があるか確定できますか?
いいえ、確定診断ではありません。染色体異常の「可能性(確率)」を評価する検査であり、結果によっては追加の検査(NIPTや羊水検査)をご検討いただくことがあります。
赤ちゃんや母体への影響はありますか?
超音波検査と採血のみで行うため、赤ちゃんや母体への負担はほとんどありません。比較的安心して受けていただける検査です。
クアトロ検査(母体血清マーカー検査)
コンバインド検査との違いは何ですか?
コンバインド検査は妊娠初期、クアトロ検査は妊娠中期に行います。どちらも採血を含むスクリーニング検査ですが、実施時期や評価方法が異なります。
結果が陽性だった場合はどうなりますか?
陽性は「可能性が高い」という意味で、病気が確定したわけではありません。必要に応じて、より精度の高い検査(NIPTや羊水検査)をご案内します。
羊水検査(確定診断)
羊水検査はどのようなリスクがありますか?
ごくまれに流産や感染などのリスクがあります。そのため、検査の必要性やリスクについて十分に説明を受けたうえで実施します。
どのくらい正確な検査ですか?
染色体異常については高い精度で診断が可能な「確定診断」の検査です。ただし、すべての病気がわかるわけではありません。
超音波胎児ドック
通常の妊婦健診との違いは何ですか?
通常の健診よりも時間をかけて詳しく観察し、赤ちゃんの臓器や体の構造をより詳細に確認する点が特徴です。
この検査で染色体異常もわかりますか?
染色体異常を直接診断する検査ではありませんが、形態的な異常の有無を確認することで、間接的に異常の可能性に気づくきっかけとなる場合があります。
